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筆頭著者の小林先生からメッセージ

論文の採択にあたって

 

今回、長年続けてきたiPS細胞を用いた心臓再生治療に関する研究の成果が、論文としてCirculationに掲載されました。

これも柴先生をはじめとする信州大学再生医科学教室の先生方、共著者である慶應義塾大学の福田先生、遠山先生のご指導のおかげと深く感謝しております。

私は2016年に関連病院から信州大学病院へ戻って参りましたが、当初はまさか自分が基礎研究に携わるとは思ってもいませんでした。しかし、柴先生から今回の研究のお話を伺った時に、これも何かの縁であり挑戦してみようと思い立ち、2018年から本研究室に所属し、実験に取り組んで参りました。

基礎研究に関する知識も技術も全くない状態からのスタートでしたが、研究室の先生方のご指導のもと、iPS細胞の培養や心筋細胞への分化誘導、そして実際の動物への移植実験と進むにつれ、常に新しい発見と驚きの連続だったことが思い出されます。

基礎研究の面白さというのは、まだ誰もわかっていないことを自分自身で明らかにしていくことかと思います。時には思い通りの結果が得られず、プロトコールの再検証や実験のやり直しが必要となることも多く、また、実験の規模が大きければ大きいほど、すぐに結果が出ないということもあり、腰を据えて臨む努力も求められます。

これまでの研究成果を世界に発信することができ、これまでの苦労が報われた様に感じるとともに、さらに研究を進めていきたい気持ちも芽生えました。

昨今は基礎研究に従事する医師が減っているという話もありますが、特に大学病院で働く若い先生方には、長い人生の中で今しかできないこと、大学という場所でしかできないことを見つけ、積極的に取り組んでもらえればと思います。

私の経験が研究意欲のある先生方の興味や参考の一端となれば幸いです。

 

2024年4月29日 小林 秀樹

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